CR-1技術データー

硬化メカニズム
 
アクアミカ ® とは
AZエレクトロニックマテリアルズ社のみにより製造される「パーヒドロポリシラザン(Perhydropolysilazane)」という独自物質が大気中の水分と反応してシリカガラスに転化することを利用しています。アクアミカは、主成分パーヒドロポリシラザン、有機溶媒、少量の触媒により構成されます。
-(SiH2NH)-+2H2O→-(SiO2)-+NH3+2H2
単位分子量=45 密度=1.3       単位分子量=60 密度=2.0

図1 塗膜密度の変化

常温放置で石英ガラスの密度に限りなく近づいていきます。(6インチSiウェハーを用いて実測)

アクアミカ図表01
(放置条件)
ドライ:20℃
5%RH
大気:20℃
30%RH
高温:20℃
95%RH
シリカへの反応メカニズム

スプレーガンやウェスによる手塗りなどで、塗布することができます。塗布後常温5分ぐらいの放置で、有機溶剤を揮発させれば、その自己架橋性の強さから、即指触乾燥状態になります。

その後、目に見えませんが、大気中の水分と猛烈な勢いで反応します。シリカガラスに転化するまでの時間は、気温や湿度などの環境に左右され、図1に示すように、平均的な環境下では、約2週間で密度2.0の緻密なシリカフィルムとなります(理想的な石英ガラスの密度は約2.2)。

アクアミカでコーティングすることで、さまざまな基材表面を、通常1ミクロン以下、という薄いガラス膜で覆うことが出来、ガラスのもつ硬さ、耐久性、親水性などを発揮することができます。これにより、(1)汚れをプロテクトする防汚(2)金属の腐食を防止する防食(3)基材の傷を防止する防傷などの機能を得ることができます。

1.密着性

アクアミカ図表02

密着性イメージ

アクアミカは非常に活性で、塗装成分のOH、COOHなどの官能基と化学結合すると同時に、アクリルやウレタンなどの樹脂と相溶するため、高い密着性が得られます。金属やセラミックなどの最表面も同様にOHの存在により密着性が高く、樹脂に対しても、極性基の存在により良く密着していると考えられます。

膜の性能
 

1.表面硬度

図2 ナノインデンテーション法による薄膜の硬度測定データ

コーティング材料 硬化条件 弾性率(GPa) 硬度(GPa)
アクアミカ 室温×1ヶ月 33 3.2
アクアミカ 900℃×30分 74 9.4
ガラス 80 8.1
自動車用A社コーティング剤 室温×1ヶ月 3.5 0.2
シリコーンハードコート 4 0.8
アクリルハードコート 5 0.4
ポリカーポネート 3 0.3
アクアミカの最大の特徴である防汚性は、それのもつ表面硬度に起因しています。自動車ボディにつく水垢のように、軟らかい塗装表面には汚れが中に入ってとれなくなります。アクアミカによる薄いシリカガラス膜がこれをプロテクトします。この裏付けとなるデータが図2です。これは、1ミクロン程度の薄膜の本質的な硬さと弾性率を測定することのできるナノインデンター*という特殊な装置によるデータです。高温焼成させたアクアミカは、ソーダガラス以上の硬さを示し、常温で1ヶ月硬化させたものでも、ガラスの半分程度の硬さにまで達しており、既存のハードコート材と比べても、圧倒的な違いを証明しています。この性質を利用して、膜厚を調整すれば、耐傷性向上にも利用できます。

→See アプリケーション

* 鉛筆硬度とは異なります。鉛筆硬度は塗布した基材の硬さに大きな影響を受けます。基材を含めた一種の破壊試験です。

2.耐久性

耐候性促進試験。図3は強い紫外線、温度、湿度による加速試験結果で、長期耐久性に優れることが確認できます。

図3

基板 アクアミカ 塗布法 膜厚 照射時間 結果
ウレタン塗装カラー鋼板(ブラック) NP140-01 フロー 約0.1ミクロン 300時間 光沢あり、変色せず
NP140-02 約0.2ミクロン
NP140-03 約0.3ミクロン
なし(コントロール) 光沢なし、グレーに色褪せ
ポリエステル塗装鋼板(ベージュ) NP140-01 スプレー 約0.2ミクロン 光沢あり
なし(コントロール) 光沢なし
試験装置=アイスーパーUVテスター/紫外線照射強度=90mW/㎤/温度=63℃/湿度=80%

アプリケーション
 

1.防汚

写真1 アプリケーション写真1
近年注目され、アクアミカの特徴を最大限に生かすことができる用途が防汚です。写真1は弊社にてボディの半分をアクアミカで施工したオートバイです。施工後、1度も洗っていませんが、くっきりと差が出ています。図4はカーボン、マジック、食品などによる汚染性の試験結果例で、優れた防汚効果が確認されています。

図4

試験項目 基板 アクアミカ 塗布法 焼付け 膜厚 結果
マジック汚染 ポリエステル塗装鋼板 NL110A バーコート 80℃×30分 約0.1ミクロン 色残りなし
なし 色残りあり
亜鉛メッキ鋼板 NP140 スプレー 常温 約0.1ミクロン 色残りなし
なし 色残りあり
食品汚染(カラシなど) ポリエステル塗装鋼板 NL110A バーコート 80℃×30分 約0.1ミクロン 色残りなし
なし 色残りあり
カーボン汚染 亜鉛メッキ鋼板 NP140 スプレー 常温 約0.1ミクロン 色残りなし
なし 色残りあり
雨だれ暴露(6ヶ月) ポリエステル塗装鋼板 NP140 フロー 常温+親水促進剤 約0.1ミクロン 雨すじなし
なし 雨すじあり
亜鉛メッキ鋼板 NP140 スプレー 常温 約0.1ミクロン 雨すじなし
なし 雨すじあり

2.防食

図5は、塩水噴霧、CASSなどによる耐食性の試験結果例で、優れた防食効果が確認されています。

図5

試験項目 基板 アクアミカ 塗布法 焼付け 膜厚 結果
塩水噴霧 アルミ NL110A フロー 120℃×30分 約1ミクロン 変化なし
140℃×20分
亜鉛メッキ スピン 80℃×1時間
CASS アルミ フロー 120℃×30分
高温酸化 ステンレス スピン 500℃×30分 変色なし

3.耐スクラッチ

図6は、鉛筆硬度、研磨性洗剤による耐傷性の試験結果で、優れた防傷効果が確認されています。

図6

試験項目 基板 アクアミカ 塗布法 焼付け 膜厚 結果
摩耗(研磨性洗剤) ステンレス(鏡面) NL110A スピン 200℃×1時間 約1ミクロン 変化なし
なし(コントロール) 傷だらけ
鉛筆硬度 NL110A スピン 200℃×1時間 約1ミクロン 7H
なし(コントロール) 2H

より詳しい情報は技術データーPDFファイルをご参照ください。
(PDF:144KB/8ページ)

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